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院長コラム
犬・猫のワクチン接種(混合ワクチン・狂犬病ワクチン)について

だんだんと春が近づいてきましたね。ワンちゃんと飼い主さんにとっては、狂犬病のワクチン接種にフィラリア予防にと、忙しい季節になります。毎年のことなので慣れていらっしゃる飼い主さんも多いと思いますが、今回は改めてワクチン接種に関して、特に接種後の副反応についてお伝えします。あらかじめ副反応とはどのようなものなのか知っていただくことで、接種後の万が一の異変にすみやかに気が付いていただけることと思います。
当院では犬・猫の混合ワクチンも犬の狂犬病ワクチンも、接種した後15分程度、待合室で様子をみていただくようにしています。ワクチン接種後のアレルギー反応の有無をみるためです。即時型の強い反応が起こる場合は接種後間もない時間帯のことが多く、何分経てば大丈夫という明確な区切りはありませんが、経験的に15分としています。また、遅延型の数時間経ってから起こる反応もあります。即時型に比べ症状が軽めなので、何かあればすぐにご来院いただくこととして、15分何もなければご帰宅いただいています。
アレルギー反応の症状としては、急速に元気がなくなる、脱力する、歯茎など通常ならピンク色の部位が白くなる、口の周りや目の周り、時には顔全体が腫れる、嘔吐・下痢をする、など。
万が一このような症状がみられた場合はすみやかにスタッフへお声かけいただく必要がありますが、軽症の場合は必ずしも治療が必要とも限らず、安静に様子をみて治まる子もいます。症状が強い場合はアレルギー反応を抑えるための治療を行うことで、30分から1時間程度で治まってくることがほとんどです。私の経験上、もっと強い症状が出てしまった子もゼロではありませんが、すみやかに治療を行って3~4時間ほどのお預かりで回復して帰れています。つまりは、ワクチン接種後の副反応にはすみやかに対処すること、これが一番です。副反応が出ているのに気が付かず、治療開始までの時間が長くなることは最も避けなければいけません。
先述の通り遅延型の反応が起きる可能性もありますので、ご帰宅後も変わった様子が無いか気を配っていただき、激しい運動やシャンプー、ワンちゃんだけでのお留守番は避けてください。
あまり副反応の話ばかりすると不安に思われるかたもいらっしゃるでしょう。しかし、日ごろから多くの犬猫がワクチン接種に来院するなか、実際にアレルギー反応が起きてしまった子は年間1~2頭くらいなので、過度に心配されなくていいかと思います。言うまでもなくワクチンによって得られる予防効果・症状の軽減効果の方が重要ですので。
犬・猫のワクチン接種については、こちらにも記載していますので参考になさってください。